JA北群渋川Kitagunshibukawa Japan Agricultural Co-operatives
  
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 Sさんは80歳の女性。半年前に脳梗塞(こうそく)で入退院して、右半身にまひがが残りました。でも今は自宅で暮らしていて、ほぼ自分で何でもできます。今回はそんな彼女の生活をご紹介しましょう。
 外出が大好きなSさん。リハビリを兼ねて毎朝散歩しています。玄関にはイスが置いてあるので、そこに座って靴を履きます。靴は甲の部分が大きく開くタイプのため、足の出し入れが楽にできます。また、甲の部分にあるファスナーを合わせて履いています。お気に入りの真っ赤なつえを持ったら、散歩に出発です。
 散歩から帰ると台所に立ちます。料理好きなこともあって、今ではフードプロセッサーやミキサーをうまく使っておかずを作ります。ご飯とみそ汁、それに夕食の残りが彼女の朝食で、食後には好物のバナナミルクを飲んで。いるそうです
 まひによって、トイレでのズボンの上げ下ろしがちょっと大変になりました。今はズボンの内側に大きな輪をつけて、そこに腕を掛けてズボンを上げるようにしています。こうした手掛かりがあると、衣服の着脱が無理なくできます。また、ズボンの上げ下げはバランスを崩しやすいので、壁にもたれて行うことに決めているそうです。
 いまで座る椅子は、自分の体に合うものにしました。以前はソファに座っていたのですが、低いソファでは立つのが大変になりました。今の椅子はかかとが浮くくらいの座面の高さで、ひじ掛けがしっかりついているため、座るのも立つのも楽にできます。
 こうしてみると、Sさんの生活から不自由さはあまり感じられません。それは玄関のいすや靴など、さりげない工夫が彼女の暮らしを支えているからです。体が不自由になった時こそ、細やかな配慮や道具が大切。その人らしい暮らしの実現に大きな役割を果たします。
                                    (高齢者生活研究所所長 JA全農福祉用具アドバイザー 浜田きよ子)

JA広報通信 平成22年1月号より転載


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