1999年の登場以来、約3年が経過したが、ADSLはブロードバンド回線として確固たる地位を築き上げた。2003年2月時点のユーザ数は600万を超えている。サービス開始当初は首都圏などに限られていたサービスエリアもNTT商品のフレッツADSLは人口カバー率で9割以上のユーザが申し込める状態になっている。利用料金もサービス開始当初は月額5,000〜7,000円と比較的高価であったが、現在では月額3,000円程度と手頃な料金に落ち着いた。これは、ADSL事業者同士の価格競争の結果である。料金が一段落すると今度は速度競争だ。最大1.5M/秒のサービスが主流であったが、現在では8M/秒に続き12M/秒がサービスインされている。さらに24M/秒のサービスが登場するらしい。
一方のFTTH(Fiber To The Home)は、いまだブロードバンドの主役になれない状況である。その理由として、現状ではランニングコストとサービス提供エリアでADSLに全くたちうちできないからである。現在の内容では、初期費用が約30,000円、毎月約6,000円の利用料金が発生する。ADSLのケースでは、一般家庭まで張り巡らされている既存のメタル線を使用できるのに対し、FTTHは、新たに光ファイバを敷設してもらう必要がある。地中や電柱を使って光ファイバを引き回し、家庭の中まで引き込まなければならない。これらのコストが重く利用料金にのしかかってくるわけだ。しかしながら、各通信事業者で努力を重ねた結果、光ファイバ1本で上り下りをまかなう方式を導入したり、さらには複数ユーザで共同利用するPON(Passive Optical Network)技術の導入を進めコストを極力抑えている。その結果として、1ユーザあたりのランニングコストを抑えることが可能となるのだ。もう1つの問題であるサービス提供エリアの制限であるが、当然のことながら敷設コストが重いので、ある程度需要が見込まれるエリアでなければ、敷設工事に取りかかるわけにはいかない。日本全体で見ると東日本エリアより西日本エリアの方がFTTHの提供されている市町村数が多いとのことである。電力系の事業者がエリア拡大に積極的に力を入れているからだという。一般的に各家庭の末端までカバーされているものは、電話線と電線(電力)であることから、光ファイバが主役になるのも時間の問題だろうか。